コンソールウィンドウ
【コンソール】ウィンドウは常時表示されていますが、閉じるボタンなどでVisual LISP ウィンドウの下に最小化されている場合もあります。そのような際はメニューから【表示】>【LISP コンソール】、 ボタン、またはF6 キーで表示できます。
コンソールとコマンドラインの違い
【コンソール】ウィンドウにはプロンプトが表示されており、AutoLISP の式を入力して⏎キーを押せば、直ちに実行され結果が表示されます。役目としてはAutoCAD の【コマンドライン】と同じようなもので、部分的に書式が違いますが【コマンドライン】でできることが、【コンソール】でも行えます。逆に【コンソール】でできることが、AutoCAD の【コマンドライン】に入力することでも行えます。
両者の書式の違いは、LISP の式の評価は同じです。変数の値を表示するには、【コマンドライン】の場合は!(感嘆符)が必要です。AutoCAD のコマンド実行は、【コンソール】からはcommand 関数を使用して行います。
【コマンドライン】 | 【コンソール】 | |
---|---|---|
LISP 式の評価 | コマンド:(+ 5 5) コマンド:(setq a 10) |
_$ (+ 5 5) _$ (setq a 10) |
変数の値の表示 | コマンド:!a | _$ a |
AutoCAD コマンド | コマンド:LINE | _$ (command “LINE”) |
プロンプト
【コンソール】に表示されるプロンプトは、最初は以下のようなものです。
_$
【コンソール】に入力したLISP 式や、実行中のプログラムにエラーが発生した場合は、ブレークループに入るようにできます。ブレークループ有効の設定を行うには、メニューから【デバッグ】>【エラーでブレーク】を選択してチェックを入れておきます。
また、ブレークポイントを設定してプログラムを一時停止した場合も、ブレークループに入ります。ブレークループに入ると、プロンプトは以下のように変化します。
_1$
これは、ブレークループが一段目であることを意味します。プログラムが一次停止している際にも、プロンプトにLISP 式を入力して、実行することができます。変数名を入力して値を表示させる他、setq 関数で変数の値を書き換えることも可能です。defun 関数を使用して、関数定義を書き換えることさえできます。
_$ (setq a 10 b 0)⏎
0
_$ (/ a b) ⏎ ;エラーが発生
_1$ a⏎
10
ブレークループ中に、再度エラーが起こると、ブレークループが一段深まります。
_1$ (/ 5 b) ⏎ ;エラーが発生
_2$
ブレークループの抜け方は、ブレークポイントで一時停止していた場合は、【続ける】ボタンやステップ実行で、プログラムの実行を継続できます。
エラーで止まっていた場合は、プログラムの実行の継続は不可能なので、結局はリセットすることになります。リセットには二つの種類があります。
ボタン | ショートカット | メニュー | 説明 |
---|---|---|---|
CTRL+R | 【デバッグ】>【トップレベルにリセット】 | ブレークループをトップレベルまでリセットします。 | |
CTRL+Q | 【デバッグ】>【現在のレベルを終了】 | ブレークループを一段だけリセットします。 |
プロンプトには、行を分けてLISP 式を入力できます。改行したいところで、⏎キーの代わりにSHIFT+⏎キーを押します。
_$ (setq a [SHIFT+⏎]
(expt 3 2) [SHIFT+⏎]
) ⏎
9
仮に、入力したLISP 式に閉じカッコが足りない状態で⏎キーを押してしまった場合は、プロンプトは「(_>」のように変化します。そこで追加の閉じカッコを入力して⏎キーを押せば、式は通常どおり評価されます。
$ (setq a (expt 3 2) ⏎
(_> ) ⏎
9
プロンプトに入力中のLISP 式をクリアするには、ESC キーを押します。
LISP 式をクリアすることなく、式を評価することもなく、次の新しいプロンプトへ移動したい場合はSHIFT+ESC キーを押します。
コマンドヒストリー
【コンソール】のプロンプトから入力して評価したLISP 式は、コマンドヒストリーに記録されています。コマンドヒストリーをたどることによって、以前の入力を再び簡単に呼び出すことができます。
説明 | キー |
---|---|
コマンドヒストリー遡ります。 | TAB |
コマンドヒストリーを戻ります。 | SHIFT+TAB |
プロンプトにコマンドの先頭部分を一部入力することによって、それにマッチするコマンドに限ったヒストリーを検索できます。例えば「(setq a 10)」を呼び出したいとき、「(setq」とだけ入力してTAB キーを押せば、ヒストリーから先頭が「(setq」のものだけをたどることができます。
コンテキストメニュー
【コンソール】ウィンドウで表示されるコンテキストメニューで、特殊なものは以下のとおりです。
メニュー項目 | 説明 |
---|---|
【コンソールウィンドウをクリア】 | 【コンソール】ウィンドウに表示されている履歴をクリアします。 |
【検査】 | 選択しているシンボルについて【検査】ウィンドウを開きます。 |
【ウォッチを追加】 | 選択しているシンボルを【ウォッチ】ウィンドウに追加します。 |
【該当ウィンドウ】 | 【該当】ウィンドウで、選択している文字列に関してシンボルを検索します。 |
【シンボルサービス】 | 選択しているシンボルについて【シンボルサービス】ダイアログを開きます。 |
【AutoCAD モード】 | 【コンソール】を【コマンドライン】モードにします。 |
【コンソールログを切り替える】 | コンソールログを切り替えます。 |