プログラムの自動ロード
AutoLISP のプログラムは、AutoCAD にロードされることによって、コマンドとして呼び出し、実行することができます。
プログラムをユーザーの AutoCAD に自動的にロードして、いつでもコマンドを実行可能な状態にしたい場合は、いくつかの方法があります。
ダイアログで自動ロード
一般的な AutoCAD ユーザーが自ら設定を行いやすいのは、「APPLOAD」コマンドで表示されるダイアログを利用する方法です。【スタートアップ登録】にプログラムファイルをドラッグアンドドロップして登録すれば、図面を開いた時に最初にロードされるようになります。
設定ファイルで自動ロード
追加機能のプログラムファイルを、特定のフォルダ下で管理し、自動ロードの設定を AutoCAD ユーザーにあまり露出させたくない場合もあるでしょう。もう一つの方法は、図面を開くごとに実行される【acaddoc.lsp】を利用する方法です。【acaddoc.lsp】ファイルは、図面を開くごとに【サポートファイルの検索パス】内のものが検索され自動的に実行されます。

適当な場所のフォルダに、プログラムを入れるフォルダと【acaddoc.lsp】ファイルを作成します。左の例は、「custom」フォルダ下に、「scripts」フォルダと【acaddoc.lsp】ファイルを作成しました。「scripts」フォルダには、目的のプログラムファイルを置きます。ここでは、「sample.lsp」です。
【acaddoc.lsp】に、LISPのload関数を使った次の行を加えます。【acaddoc.lsp】からの相対パス(正確には【サポートファイルの検索パス】からの相対パス)の指定が可能で、ファイル名の拡張子は不要です。
(load "scripts/sample")
最後に、作成した【acaddoc.lsp】があるフォルダを【サポートファイルの検索パス】に加えます。今回の場合は「custom」フォルダです。【サポートファイルの検索パス】の設定は「OPTIONS」コマンドで表示されるダイアログから設定できます。 AutoCAD 2014 から、悪意のあるプログラムのロードを防止するために、【信頼できる場所】の設定が新たに加わりました。【acaddoc.lsp】を含んだプログラムを置いたフォルダが、このパスに含まれるように設定してください。今回の場合は「custom」以下のフォルダです。【信頼できる場所】の設定で「(略)¥custom¥...」と三つのピリオドを使うと、それ以下の含まれるフォルダを一括して指定できます。
load関数の代わりにautoload 関数でオンデマンドにプログラムファイルをロードさせるよう登録することも可能です。次の例は、「SAMPLECOM1」または「SAMPLECOM2」というコマンドを実行しようとした時に、初めてプログラムファイルがロードされるように設定がされます。コマンドのリストはいくつでも並べることができますが、カッコで囲んで、先頭に「'(クォーテーション)」を付けるのを忘れないでください。
(autoload "scripts/sample" '("SAMPLECOM1" "SAMPLECOM2"))